星座や宇宙にまつわる詩を多く生み出してきた最果タヒの言葉が、本を飛び出しプラネタリウムに灯ります。詩と詩を繋ぐ神話の説明もすべて詩人の言葉。夜空に瞬く詩を味わう、新しいプラネタリウムをお楽しみください。

2022年10月～12月にかけて放送される「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のエンディングアニメーション。本作はガンダムシリーズ初の学園物。劇中に登場する二人の人物は、水星から編入してきた少女スレッタ。もう一方はモビルスーツ開発企業グループ総裁の娘であるミオリネとの関係性を、コックピットや学園といった箱庭的空間、そして互いに抱える呪縛を、”魔女”というモチーフから連想して鏡や結界、それらのイメージをより象徴的に描くため鉱物をメタファーにして反射・屈折した空間で表現している。

2023年4月～7月にかけて放送される「機動戦士ガンダム 水星の魔女season2」のエンディングアニメーション。season2の物語を象徴的な映像で紡ぐうえで、「共感覚」と「夢幻劇 」をメインキーワードにし、主人公のスレッタ（赤毛の少女）とミオリネ（白髪の少女）の心を行き来する映像を制作した。ストーリー上、主人公二人の心がすれ違い続ける様を、劇場の舞台にたたずむスレッタと、映写機から投影されたミオリネが物理的にすれ違い、二人の関係性を象徴的に表現した。 本編作中、シェイクスピアの戯曲『テンペスト』を思わせる引用があり、EDアニメーションも舞台劇をイメージしたファーストカットを導入することで、物語の裏で暗躍する登場人物が、学園という舞台装置で主人公二人を踊らせるかのようなイメージで制作した。一方、グレインが強いフィルムルックにすることで「ガンダムの呪い」というフィルムに焼き込まれた物語から主人公たちはどう争うのかを象徴的に表現している。

新海岳人原作、キャラクターデザイナー JUN OSON が担当している TV アニメ「あはれ!名作くん」の6期ED。インスタグラムやTIKTOKで見受けられる「スマートフォンのカメラを手で覆ったトランジションでビフォーアフターを演出」を模した内容になっており、真面目に掃除をする名作が掃除中ふざけるクラスメイトに変化する企画を提案。キャラクターデザイナーにイラストレーターのdocco氏を迎えて、頭身を上げた「逆デフォルメ」なデザインになった。

バーチャルユーチューバー”名取さな”が歌う「モンダイナイトリッパー！」のMV。普段は仮想空間のサナトリウムに住む名取さなが、友人たちと世界旅行を楽しむ。しかし、それがリアルな空間ではなくバーチャルな体験だったことを認知し、次第に現実と虚構の区別がつかなくなってしまう。共同監督はアニメーション作家の植草航がキャラクターデザインと作画アニメーションを担当。大橋がコンポジットとモーショングラフィックス全般を担当している。

BNN出版から毎年個性的な映像クリエイターを選出する年鑑「映像作家100人」のティザームービーを制作。多種多様な映像クリエイターを内包した年鑑のイメージを表現すべくカラーバーの擬人化を企画。カラーバーの色面がそれぞれ分裂し各々が思うがまま自己を表現するかの如く踊る。そしてクリエイターの脳内に覗き込むと多様化した映像手法を思わせるように幾何学的なグラフィックや筆跡、抽象的なエフェクトが乱舞する。

声優の悠木碧による企画・原作・キャラクターデザイン原案「キメラ・プロジェクト」。人間が（SNSなどのヴァーチャルなコミュニケーションで）発する言葉から生まれたキメリオ＝キメラの物語。7体のキメリオはそれぞれ1週間の曜日を擬人化したようなキャラクターで、月曜日なら休み明けでグルーミーな性格であったり、金曜日なら休み前ということもあり遊び人のような性格になっている。MVはキメリオ達の恐ろしくも可愛らしい世界観を表現しながら「人間が発する言葉を食べたいという欲求」を描いている。

ONE DAY, 2050 / Sci-Fi Prototypingとは、SONYの若手デザイナーと気鋭SF作家が「Sci-Fiプロトタイピング」によって2050年の東京、そして多様な恋愛をテーマにした1万字の短編小説と劇中に登場する未来のプロダクトをデザインフィクションとして東京・銀座のSONY Parkにてモックが制作・展示されている。大橋は短編小説「君か君か」に会場で展示されているデザインフィクションを劇中に取り入れながら原作小説のストーリーに興味を惹いてもらえるような映画のティザー映像のようなアニメーション作品をイラストレーターのKazuya Kikkawaとアニメーション作家のKazuki Sekiguchiと共に制作。未来を希望的に描いたプロダクトのイメージと、主人公のイチウとヨリのある事件がキッカケで生まれた距離感をハーフトーンやディザリングを用いてクリーン＆ドライなルックで描いた。

ラップシンガーDAOKOの2ndアルバムの初回特典盤に収録されたMV。曲のタイトルが「ぼく」にちなんで「自撮り・インスタグラム」というアイデアと、アニメのMVでもあるので工数を減らしてクオリティを上げるために背景は写真を使うことを想定していたので、「AR自撮りアプリで遊んでたらARの世界に吸い込まれてネット空間をさまよう」というプロットを提案した。メジャーデビューしたDAOKOが新たなファンを獲得すると同時に昔のファンを失ったことを匂わせる歌詞に合わせて、高校生の時のdaokoがセルフィーでメジャーになってからのDAOKOが対峙し、徐々に自分のパーソナリティーがwebサイトの「リンク切れ」のように剥がされていく不穏な展開が進んでいくMVになっている。

ヴァーチャルシンガー花譜が歌うdocomoの次世代通信規格5Gのタイアップ曲「戸惑いテレパシー」のMV。次世代通信規格”5G”を高速インターネットのメタファーとして捉えるために「花譜がVRレースゲームに参加する」という企画を提案。WipeOutやRedOutのような未来感のあるアートディレクションと反重力レースゲーム特有の過激なレースアクションで未来のインターネット空間のイメージを表現した。 このMVには二つの視点を意識的に描いた。未来のインターネット空間のメタファーとしてレースゲームに没入する花譜の一人称視点と、それを第三者の視点として漫画のコマ割りをデスクトップブラウザのウィンドウを模したグラフィックで構成した。MVに漫画のコマ割りのような構成と音楽の持つテイストが噛み合わないと映像に野暮ったさが出てしまうことがあるが、コマ割りをブラウザウィンドウを模したことによりMVの題材である”インターネット空間”を扱った演出をより強固にしてくれる。 VRゴーグルを使ったレースシーンは次世代インターネット空間のメタファーであり、またインターネット空間に没入してる一人称視点でもある。レースシーンのビジュアルは先にあげたデザイナーズリパブリックがアートディレクションとして携わったWipeOutを参考にしつつも、固有名詞のパロディを企画そのものにしてしまうとMADで作られたMVにはかなわない。そこで未来感のあるテイストは踏襲しつつもweb1.0を思わせるような原色に近い配色と2Dグラフィックや写真のコラージュで作られた背景を無理矢理3D空間にレイアウトすることでインターネット空間がサーキットコースになっているイメージを作り上げた。 レースで使う機体もマリオカートのような機体に乗ってるレーサーが見えるようにし、キャラクターの素体も8の字を描くようなシルエットに統一することでアバターっぽいデザインを採用した。アバターのデザインはネットカルチャーを象徴するようなアイコン（2chのアスキーアートのモナーやヴェイパーウェイブの石膏像、絵文字モチーフなど）をモチーフにして楽しげなレースシーンを描いた。 レースシーンでは圧倒的なスピード感を表現するため背景がブレるような処理、、いわゆるモーションブラーを施している。通常のAfterEffectsのモーションブラーを採用するとレンズのシャッタースピードの影響で被写体がブレるニュアンスになってしまう。ビットマップの集積で出来たデジタル空間を意識させるべく、レンダリング設定は”ドラフト”にしてアンチエイリアスがかからない出力にしておく。ブラー表現はディスプレイスメントマップエフェクトというデータモッシュを擬似的に作る際に多用するエフェクトを使用。縞模様のグラフィックをマップレイヤーに指定することで、モチーフのシルエットが効果線がかかったような変形が起こり、カメラワークも相まって擬似的なモーションブラーを作ることが出来る。

「音楽の魅力を伝える」というミッションのもと、スペースシャワーTVのステーションIDをライブハウスやクラブで音楽に没入したオーディエンスの内省的な世界を描いた。音楽のリズムやビートに身を委ねることで身体はパウルクレーの絵画を彷彿させるような抽象的な造形になってリスナーは音楽の一部となって溶け込み、カラーライトを浴びたような非現実的な色彩を帯びて鮮やかな音楽体験をアニメーションで比喩した。